古いスピーカーをBluetooth化するために必要な機材と手順

古いスピーカーをBluetooth化する方法を探している方に向けて、本記事では基本から応用までをわかりやすく解説します。昔のスピーカーや古いアンプを活用し、現代のスマホやPCとワイヤレスで接続できるようにするには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。例えば、有線スピーカーを無線化するためにはBluetoothレシーバーが重要な役割を果たしますが、そのレシーバー接続の手順や注意点も機器によって異なります。

さらに、スピーカー再利用の際には接続方法の違いや、パッシブスピーカーに対応したアンプの選び方も知っておくと安心です。この記事では、安価でできる無線化の方法から、音質重視の方に向けた高性能モデルの選び方、自作でスピーカーを再構築するアイデアまで幅広く紹介します。

アウディのような高級車のオーディオに匹敵するレベルを目指す方も、まずは家庭のスピーカーをワイヤレス化してみてはいかがでしょうか。ブルートゥース化するメリットを活かせば、思い出の詰まった機材が今のライフスタイルにぴったりとマッチする音響システムへと生まれ変わります。

  • Bluetoothレシーバーやアンプなど必要な機材の種類
  • 機材同士の接続方法と配線の手順
  • 機器ごとの対応端子と変換ケーブルの選び方
  • 音質や使い勝手に応じた機材の選定ポイント
目次

古いスピーカーをBluetooth化するための基本知識

この章で解説する項目

  • 有線スピーカーをBluetooth化する
  • 古いアンプをBluetooth化する方法と注意点
  • Bluetoothレシーバーの役割と選び方
  • レシーバーとスピーカーを接続する手順
  • コンポをBluetooth化する時の接続がUSBの場合
  • 昔のスピーカーを再利用

有線スピーカーをBluetooth化する

有線スピーカーを無線化する仕組みとは
有線スピーカーを無線化する仕組みとはbyシネモノ

有線スピーカーをBluetooth化するには、「Bluetoothレシーバー」や「Bluetooth対応アンプ」を活用する方法が一般的です。これにより、スマートフォンやタブレットなどの音声を、ケーブル接続なしでスピーカーに出力することができます。

まず前提として、有線スピーカーはアンプからの信号を物理的なケーブルで受け取ることで音を出します。したがって無線化するには、どこかで「Bluetooth信号を受信し、アナログ信号に変換してアンプに送る」工程が必要になります。これを担うのがBluetoothレシーバーです。

Bluetoothレシーバーは、スマホなどから送信された音楽データを無線で受信し、それを有線でアンプやスピーカーに接続して音声信号として出力します。最近では、レシーバー自体に簡易アンプ機能が内蔵されているモデルもあり、古いスピーカーと直接つなげるだけで音が鳴るようになります。

例えば、スピーカーケーブルの先端をレシーバーに接続できるよう加工し、Bluetoothレシーバーの電源を入れれば、ペアリングさえ済めばすぐに音楽再生が可能です。この方法は、機材の価格も安く、初めての方にも取り組みやすい手段の一つと言えるでしょう。

一方で注意点もあります。音質は、使用するレシーバーの性能やBluetoothのコーデック(音声圧縮方式)によって変化します。特にSBCのみ対応の安価なレシーバーでは、音質に物足りなさを感じる場合もあるため、AACやaptX、LDACなどの高音質コーデックに対応したモデルを選ぶとよいでしょう。

このように、有線スピーカーを無線化するには、Bluetooth信号を受信し、音声信号として出力できる機器を適切に導入することが大切です。構造を理解すれば、思い出の詰まったスピーカーを現代的なスタイルで再活用することができます。

古いアンプをBluetooth化する方法と注意点

古いアンプをBluetooth化する方法と注意点
古いアンプをBluetooth化する方法と注意点byシネモノ

古いアンプをBluetooth化することで、スマホやPCから直接音楽を送信できるようになります。この方法は、アナログオーディオ機器の活用幅を広げる便利な手段です。

手順としては、まずアンプの入力端子の種類を確認します。多くのアンプにはRCA端子または3.5mmステレオミニジャックが備わっています。この端子にBluetoothレシーバーを接続することで、アンプに無線機能を追加できます。レシーバーが音声データをBluetoothで受信し、それをアナログ信号に変換してアンプに流す仕組みです。

このとき、レシーバーの電源供給が必要となるため、USB給電式のものや専用の電源アダプターを使用するモデルを選ぶ必要があります。USB給電可能なレシーバーであれば、モバイルバッテリーを使って持ち運び可能なオーディオシステムにも応用できます。

ただし、古いアンプをBluetooth化する際にはいくつか注意点があります。まず、接続ケーブルの相性です。レシーバー側が3.5mmミニプラグで、アンプ側がRCA入力の場合は変換ケーブルが必要になります。また、レシーバーの出力がアナログのみか、デジタル(光や同軸)もあるかで接続方法が変わることも押さえておきましょう。

また、古いアンプはノイズに敏感なことがあり、安価なレシーバーではノイズが入る場合もあります。音質にこだわる場合は、高品質なDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)内蔵のレシーバーを選ぶのが良策です。

このように、古いアンプでもBluetooth化は十分可能です。ただし、機材の接続性と音質を事前に検討することが、満足のいく結果につながります。

Bluetoothレシーバーの役割と選び方

Bluetoothレシーバーの役割は、ワイヤレスで送られてくる音声信号を受信し、それをスピーカーやアンプに届けることです。これにより、従来の有線オーディオ機器でもBluetooth対応デバイスと接続して音楽を楽しむことが可能になります。

具体的には、スマホやタブレットなどのBluetooth送信機から音楽データを受け取り、3.5mmミニジャックやRCA出力でアンプに信号を送ります。一部のレシーバーにはデジタル出力端子も搭載されており、対応機器と組み合わせることで、より高音質な接続が可能になります。

Bluetoothレシーバーを選ぶ際には、以下のポイントを確認しましょう。

まず第一に注目したいのは、対応コーデックです。音質にこだわる場合は、「aptX HD」や「LDAC」などの高音質コーデックに対応しているかをチェックしてください。ただし、これらのコーデックを活用するには、スマートフォン側も同じコーデックに対応している必要があります。

次に、接続端子の種類も重要です。スピーカーやアンプの入力端子に合わせた出力があるかどうかを確認しましょう。例えば、手持ちのアンプにRCA入力しかない場合は、レシーバーにRCA出力があるか、もしくは変換ケーブルを用意する必要があります。

さらに、Bluetoothのバージョンもチェックポイントです。Bluetooth 5.0以上に対応していると、接続が安定しやすくなり、通信距離も長くなります。

最後に、給電方式にも注意してください。USB給電式か、ACアダプター式かを確認し、設置環境に合うものを選びましょう。モバイル用途にはUSB給電式が便利です。

このように、Bluetoothレシーバーは無線化の要となるデバイスです。自分の機器構成や使用目的に合ったモデルを選ぶことで、古いオーディオ機器でも快適な音楽体験が得られます。

レシーバーとスピーカーを接続する手順

レシーバーとスピーカーを接続する手順
レシーバーとスピーカーを接続する手順byシネモノ

レシーバーとスピーカーを接続する作業は、それほど難しいものではありません。必要な手順を押さえておけば、初心者でも比較的簡単に設定できます。

まず最初に、スピーカーの種類を確認しましょう。スピーカーには主に「アクティブスピーカー」と「パッシブスピーカー」の2種類があります。アクティブスピーカーは内部にアンプが内蔵されており、電源を必要とするタイプです。一方、パッシブスピーカーはアンプが必要で、電源は不要ですが、レシーバーとの間にアンプを挟む必要があります。

次に、使用するBluetoothレシーバーの出力端子を確認します。多くのモデルには3.5mmステレオミニ出力やRCA出力が備わっており、接続先の機器に応じて適切なケーブルを使用します。スピーカー側にRCA端子がある場合は、RCAケーブルで接続します。もし端子が特殊なタイプであれば、変換アダプターが必要になることもあります。

パッシブスピーカーの場合は、レシーバーとスピーカーの間にBluetoothアンプを用意し、そのアンプのスピーカー端子にスピーカーケーブルを接続する形になります。スピーカーケーブルの端は銅線がむき出しになっている必要があるため、被覆を剥いて準備します。これをアンプのスピーカー端子に挿し込み、しっかりと固定します。

その後、レシーバーの電源を入れてBluetooth機器とペアリングを行います。スマートフォンやPCなどのBluetooth設定からレシーバー名を選択し、接続が完了すれば準備は完了です。音声を再生すれば、スピーカーから音が流れるはずです。

注意点として、音が出ない場合は接続ケーブルの接触不良やペアリングの失敗、またはレシーバーやアンプの電源未接続などが考えられます。一つ一つ確認することがトラブル回避につながります。

このように、レシーバーとスピーカーを正しく接続するためには、機器の特性と接続方法を理解し、適切な準備を行うことが重要です。

コンポをBluetooth化する時の接続がUSBの場合

Bluetooth化といえば無線接続をイメージする方が多いと思いますが、コンポをBluetooth化する方法の一つに「USB接続」を用いるケースもあります。ただし、このUSBという接続方法はやや誤解されやすく、Bluetoothとどのように関係しているのかを正しく理解することが重要です。

まず確認しておきたいのは、「USBでBluetooth接続ができる」というのは、あくまでUSB端子にBluetoothアダプター(トランスミッターやレシーバー)を挿すという意味であって、USBケーブル自体で音声を伝送するわけではないという点です。USB端子に接続するBluetoothレシーバーは、USB経由で電源を得ながらBluetooth信号を受信し、その後アナログやデジタルでコンポに音声を送信します。

USB接続でBluetooth化できるアダプタの一覧はこちらから

この接続方法の利点は、Bluetoothレシーバーを外部電源なしで使用できることです。USBポートが付いているコンポであれば、そこから電源を供給できるため、ACアダプターやモバイルバッテリーを別に用意する必要がありません。配線が簡潔にまとまり、設置もすっきりします。

ただし注意点もあります。USB端子が「オーディオ入力」に対応していない場合、Bluetoothアダプターを挿しても音声は出力されません。多くのコンポのUSB端子は、USBメモリからのMP3再生などの「ストレージ読み込み」に特化しており、外部Bluetooth機器を受け入れる構造になっていないことがあるのです。そのため、購入前に「USB Audio IN」に対応しているかどうかを確認する必要があります。

また、レシーバーを使う際に、アナログのRCAケーブルや3.5mmステレオミニケーブルでの音声接続が必要になることもあります。USBはあくまで電源供給であり、音声出力は別の端子を介するという構成が一般的です。この場合、USBは「電源用」、音声は「AUX端子」などを使って接続するという二重の接続が必要になることもあります。

このように、USBを使ったBluetooth化は非常に便利な方法ではありますが、コンポ本体の対応状況やレシーバーの仕様によって実現可否が変わるという点に注意が必要です。正しく選べば、省スペースかつシンプルなBluetooth接続が可能になります。

昔のスピーカーを再利用

昔のスピーカーを再利用
昔のスピーカーを再利用byシネモノ

昔使っていたスピーカーを再活用する方法には、いくつかの選択肢があります。これらを比較し、自分の使用目的や機器の状態に応じた手段を選ぶことがポイントです。

最もシンプルな方法は、Bluetoothアンプを使用することです。これは、Bluetoothで受信した音声をスピーカーへ出力する小型のアンプで、スピーカーケーブルをそのまま接続するだけで利用できます。特にパッシブスピーカーに適しており、手軽に再利用できるのが大きな魅力です。

他にも、Bluetoothレシーバーと外部アンプを組み合わせる方法があります。この構成にすることで、より高音質な再生環境を整えたり、自分好みの音に調整したりすることが可能になります。既に高性能なアンプを持っている方にとっては、レシーバーを追加するだけでBluetooth化できるため経済的です。

一方で、DIYによってBluetoothスピーカー化する方法もあります。アンプ基板やバッテリー、Bluetoothモジュールを自作の筐体に組み込んで、完全オリジナルのシステムを作ることができます。これは上級者向けですが、既製品にないこだわりの音作りやデザインを楽しめます。

ただし、注意点もいくつかあります。古いスピーカーの端子が特殊な形状だったり、インピーダンスが現在の機器と合わなかったりする場合、変換アダプターや保護回路が必要です。また、スピーカー自体が経年劣化していると、音割れやノイズが発生することがあります。

このように、昔のスピーカーを再利用するには、機材の状態や接続形式に応じた方法を選ぶことが重要です。それぞれの方法に特徴と難易度があるため、無理のない範囲で始めてみると良いでしょう。

古いスピーカーをBluetooth化する実践アイデア

この章で解説する項目

  • 自作のパターン
  • スピーカー再利用に必要な機器
  • パッシブスピーカーをワイヤレス化する
  • オーディオをブルートゥース化するメリット
  • 安価でできる無線化の選び方
  • 音質重視でBluetooth化するポイントを解説

自作のパターン

スピーカーのBluetooth化を自作する方法には、用途やスキルレベルに応じていくつかのパターンがあります。市販の完成品に頼らず、自分で組み立てたい方にとっては、選択肢の多さと自由度の高さが魅力です。

最も手軽なパターンは、Bluetoothアンプボードを使った方法です。この方法では、Bluetooth機能が内蔵された小型のアンプ基板を使い、これにスピーカーを直接接続します。アンプボードにはすでにペアリング機能や音量調整が備わっていることが多く、初心者でも扱いやすい構成です。必要な作業は、スピーカーケーブルの端末処理と、DC電源の供給程度です。

もう少し本格的なパターンとして、Bluetoothレシーバーと別途アンプ基板を組み合わせる方法もあります。これにより、好みのレシーバーやアンプを選ぶことができ、音質や機能に対するこだわりを反映しやすくなります。例えば、高音質コーデックに対応したレシーバーと、出力の高いアンプを組み合わせれば、より豊かな音響環境を構築できます。

また、ポータブル性を重視したい場合は、充電式バッテリーを組み込むパターンもあります。この場合、電源管理や安全性への配慮が必要になり、電気的な知識もある程度必要です。しかし、電源コードの煩わしさがなく、どこでも使える自作スピーカーが完成するため、やりがいのある工作と言えるでしょう。

ただし、いずれのパターンでも注意すべき点があります。電子部品の接続ミスや電源容量の不足、冷却対策の不備などが原因で故障や発熱のトラブルを招く可能性があるため、説明書や仕様書をしっかり読み、自己責任で行うことが前提となります。

このように、スピーカーのBluetooth化を自作する方法は多様です。どのパターンが最適かは、使用目的と自身の知識・技術レベルに合わせて検討するのがポイントです。

スピーカー再利用に必要な機器

スピーカー再利用に必要な機器
スピーカー再利用に必要な機器byシネモノ

古いスピーカーを再利用するには、いくつかの基本的な機器を揃える必要があります。これらを正しく組み合わせることで、今のオーディオ環境にも適応できるシステムを構築できます。

まず必要になるのが「Bluetoothレシーバー」または「Bluetooth対応アンプ」です。レシーバーは、Bluetooth信号を受信してアナログ音声に変換する役割を果たします。対応アンプの場合は、それに加えてスピーカー駆動に必要な電力を供給する機能も備えており、構成がシンプルになります。

次に、「スピーカーケーブル」が必要です。古いスピーカーでは、端子がむき出しのタイプが一般的なため、ケーブルの先端を適切な長さで剥いて、アンプやレシーバーに固定する作業が発生します。最近ではプッシュ式の端子が使われることも多く、工具なしで接続できるタイプもあります。

さらに、「電源アダプター」も欠かせません。Bluetoothアンプやレシーバーには通常DC電源が必要です。対応する電圧と電流容量を確認して、正しいアダプターを選んでください。間違った電源を接続すると、機器の故障や発熱の原因になります。

他にも、「RCAケーブル」や「3.5mmステレオミニケーブル」など、接続する機器に応じた音声ケーブルも用意する必要があります。機器同士の端子形状が異なる場合には、変換アダプターが必要になることもあるため、事前に仕様を確認しておくとスムーズです。

こうした機器を揃えておけば、古いスピーカーでもBluetooth化して再活用することが可能です。ただし、スピーカーそのものが劣化している場合には、音質や安全性に影響が出ることもありますので、外観や接続端子の状態も確認してから再利用を検討するのが良いでしょう。

パッシブスピーカーをワイヤレス化する

パッシブスピーカーをワイヤレス化する
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パッシブスピーカーをワイヤレス化するためには、工夫次第で多くの活用方法が広がります。これまで有線での接続が前提だったパッシブスピーカーも、適切な機器を使えば現代のBluetooth環境に対応させることが可能です。

まず基本となるのは、「Bluetoothアンプ」を導入する方法です。これは、Bluetoothレシーバーとアンプ機能が一体となった製品で、スマホやPCから送られてくる音声信号を受信し、そのままパッシブスピーカーへ出力できます。アンプ内蔵のため、スピーカーケーブルを直接接続でき、配線も簡潔にまとまります。

このような機器を使う際のポイントは、スピーカーの仕様とアンプの出力がマッチしているかを確認することです。例えば、スピーカーのインピーダンスが6Ωや8Ωであれば、多くのBluetoothアンプに適合します。ただし、出力不足だと音が小さくなるだけでなく、音割れやひずみの原因になることもあります。

もう一つの工夫としては、電源の取り回しを考慮することです。ワイヤレスとはいえ、Bluetoothアンプ自体には電源が必要です。このため、電源ケーブルの長さや設置場所を考え、なるべく目立たないように配線を工夫すると、見た目もスマートになります。モバイルバッテリーを使えば、完全にケーブルレスな利用も可能です。

さらに、音質を重視したい場合には、高音質コーデック(aptX HD、LDACなど)に対応したBluetoothアンプを選ぶのがおすすめです。音の解像度やダイナミクスが向上し、古いパッシブスピーカーでも高品位な音を楽しむことができます。

このように、パッシブスピーカーのワイヤレス化には複数の方法がありますが、使用目的と環境に応じて工夫を加えることで、古いスピーカーを現代のオーディオ環境でも活かすことができます。少しの準備で、その音をもう一度活かせる可能性が広がります。

オーディオをブルートゥース化するメリット

オーディオをブルートゥース化するメリット
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オーディオ機器をブルートゥース化することには、現代のライフスタイルに適したさまざまなメリットがあります。配線の煩わしさがなくなるだけでなく、使用できるデバイスの自由度が広がり、音楽体験そのものがより快適になります。

まず、最大のメリットは「ケーブルレスで音楽を再生できること」です。従来のオーディオ機器では、プレーヤーとアンプ、スピーカーを物理的なケーブルでつなぐ必要がありました。そのため、設置場所が制限されたり、配線が煩雑になったりといった問題がつきものでした。ブルートゥース化によって、スマートフォンやタブレット、PCから直接音声を送信できるようになるため、機器の設置自由度が高まり、見た目もスッキリします。

次に挙げられるのが、使用機器の柔軟性です。特定のプレーヤーに限定されることなく、普段使っているスマホやPCから気軽に音楽を再生できるため、ストリーミングサービスとの相性が非常に良くなります。これまでのCDやMDだけで音楽を聴いていたオーディオ環境が、SpotifyやApple Music、Amazon Musicなどのサービスに対応できるようになり、聴ける音楽の幅が一気に広がります。

また、来客時や複数人での利用時にも便利です。Bluetooth接続であれば、他の人のスマホからすぐに音楽を再生できるため、ケーブルの抜き差しや再生機器の切り替えといった手間を省くことができます。

ただし、通信範囲や接続安定性には限界があり、壁を挟んだ場所や長距離の通信では音飛びや遅延が発生することがあります。特に安価なレシーバーではこの傾向が強いため、使用環境に応じて製品選びは慎重に行うべきです。

このように、オーディオ機器のブルートゥース化は利便性を大幅に向上させる方法として、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。

安価でできる無線化の選び方

スピーカーの無線化は必ずしも高価な設備を必要とするわけではありません。適切な機器と構成を選べば、予算を抑えつつも満足度の高いBluetooth環境を構築することが可能です。

まず着目したいのが「Bluetoothレシーバー」の価格帯です。現在では2,000円〜4,000円程度でも基本機能を備えたレシーバーが多数販売されており、入門者にとっては非常に取り組みやすい価格帯です。重要なのは、コストだけでなく「出力端子の種類」と「給電方式」をしっかり確認することです。例えば、スピーカー側がRCA入力の場合は、対応した出力を持つレシーバーを選ばなければなりません。

次に、既に持っているアンプを活用する場合は、レシーバーのみを購入すれば良く、費用をさらに抑えられます。アンプを持っていない場合でも、小型のBluetoothアンプは3,000円前後で入手可能で、パッシブスピーカーと組み合わせて使うことができます。

また、変換ケーブルを活用するのも費用を抑えるコツです。例えば、3.5mmミニプラグ出力のレシーバーとRCA入力のアンプをつなぐ場合、変換ケーブルを使えば追加の機器を購入せずに済みます。こうした小さな工夫で、トータルコストをさらに低減できます。

ただし、安価な機器には「対応コーデックが限られている」「ノイズ対策が甘い」「接続の安定性に欠ける」といった弱点もあるため、使用目的が明確であればそれに応じた製品を選ぶようにしましょう。

このように、スピーカーの無線化は工夫と下調べをすれば、コストを抑えつつも十分実用的な環境を手に入れることができます。

音質重視でBluetooth化するポイントを解説

音質重視でBluetooth化するポイントを解説
イメージ画像byシネモノ

音質にこだわりながらBluetooth化を進めるには、選ぶ機器や接続方法にいくつかの重要なポイントがあります。見た目や利便性を重視するだけでなく、再生される音の質に注目することで、より満足度の高いシステムを構築できます。

最も大切なのは「対応するBluetoothコーデック」の確認です。Bluetoothの音声転送にはいくつかの圧縮方式(コーデック)があり、それぞれに音質や遅延の違いがあります。例えば、SBCは標準的なコーデックですが音質は控えめで、特に高音域や細かいディテールで情報が削られがちです。一方、aptX、aptX HD、LDACといった高音質コーデックに対応した機器を選べば、よりクリアで原音に忠実な音を楽しむことができます。

ただし、送信側と受信側の双方が同じコーデックに対応していなければ、その性能は発揮されません。たとえば、スマートフォンがaptX HDに対応していても、レシーバーがSBCのみなら、その品質に制限がかかります。このため、機器同士のコーデックの対応状況は必ず事前に確認する必要があります。

次に注目すべきは、DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)の品質です。BluetoothレシーバーにはDACが内蔵されていることが多く、この部分の性能が音質に直結します。安価なレシーバーでは、DACが簡素な設計でノイズや音の濁りが生じやすいのですが、高性能DACを搭載したレシーバーでは、アナログ出力に至るまでの音質が大きく改善されます。

また、出力側の機器、つまりアンプやスピーカーの性能も音質を大きく左右します。どれほど高音質な信号を送れても、再生するスピーカーがその情報を再現できなければ、効果は限定的です。そのため、既存の機材のスペックを踏まえた上で、全体のバランスを見ながら機器を選ぶことが重要です。

こうして音質重視でBluetooth化を行う場合は、コーデック・DAC・アンプ・スピーカーといった各構成要素がどのように連携するかを理解し、最適な機器構成を組むことが最も大切になります。手間を惜しまず、丁寧に選んでいくことで、無線でも妥協のない音を楽しむことができます。

古いスピーカーをBluetooth化するための基本ポイントまとめ

  • 有線スピーカーはBluetoothレシーバーで無線化できる
  • レシーバーはBluetooth信号をアナログ音声に変換する役割
  • レシーバーにアンプ機能があればスピーカーに直接接続可能
  • スピーカーケーブルの加工が必要なケースもある
  • 安価なレシーバーは音質や安定性に難がある場合がある
  • 高音質を求めるならaptXやLDAC対応モデルを選ぶ
  • 古いアンプにはRCAや3.5mm端子の確認が必要
  • レシーバー接続には変換ケーブルが必要になることもある
  • DAC内蔵型レシーバーはノイズを抑え音質向上に有効
  • アクティブかパッシブかでスピーカー接続方法が異なる
  • Bluetooth化は配線を簡素化し設置の自由度が上がる
  • USB接続との違いは利便性と対応機種の制限にある
  • DIYならアンプ基板やバッテリーを使って自由に構成できる
  • 安価な無線化でも接続方式と端子形状の確認が必要
  • パッシブスピーカーのワイヤレス化には電源確保も重要

お気に入りのスピーカーがBluetooth化できたら、ファイヤースティックを使って大画面で見たい。そんなときに参考になる関連記事はこちらから:ファイヤースティックがプロジェクターに繋がらない?原因と解決策を徹底解説!

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この記事を書いた人

日本を代表する超大手電機メーカーグループ会社で、ホテル内の電気で動く全ての製品の選定を行っていました。その経験をもとに、室内で電気が通るモノ全般について、皆さんのお悩みを解決することが出来るよう、記事にしています。
自信作はアマゾンecho経由でエアコン、TV、空気清浄機、照明とカーテンを音声認識でコントロールできる部屋をプロデュースしたことです。

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