サウンドバーの光デジタルとHDMIの違いを比較!

サウンドバーの光デジタルとHDMIの違いを比較!音質や選び方とトラブル対応も

サウンドバーを購入したものの、接続方法がたくさんあって迷っていませんか?光デジタル接続とHDMI接続、結局のところ光デジタル端子とHDMIはどっちがいいのか、悩んでしまいますよね。光デジタルとHDMIの音質に差はあるのか、また光デジタルケーブルによる音質の違いや、巷でささやかれる「光デジタルは音質が悪い」という噂は本当なのでしょうか。実際に接続してみても光デジタルで音が出ないといったトラブルや、サウンドバーに光ケーブルとHDMIを両方つなぐべきか、あるいはサウンドバーは光ケーブルのみで十分なのかなど、疑問は尽きないものです。この記事では、そんなお悩みをスッキリ解決するために、それぞれの接続方法の特徴を徹底比較し、あなたの環境に合ったおススメの接続方法を分かりやすく解説します。

  • HDMIと光デジタルの基本的な違い
  • 音質や機能面でのメリット・デメリット
  • 具体的な接続方法と注意点
  • トラブル発生時の簡単な対処法
目次

サウンドバー 光デジタルとHDMIの違いを徹底解説

この章で解説する項目

  • 光デジタル接続のメリット・デメリット
  • 光デジタルとHDMIの音質を比較
  • 光デジタルケーブルによる音質の違いとは
  • 光デジタルは音質が悪いという噂は本当?
  • 結局光デジタル端子とHDMIどっちがいい?

光デジタル接続のメリット・デメリット

光デジタル接続のメリット・デメリット
イメージ画像シネモノ

サウンドバーの接続方法として、HDMIと並んでよく利用されるのが光デジタル接続です。これは、音声データを電気信号ではなく「光信号」に変換して伝送する方式を指します。

この方式の最大のメリットは、ノイズの影響を非常に受けにくい点にあります。家庭内にはテレビやレコーダー、Wi-Fiルーターなど、電磁ノイズを発生させる機器が多く存在します。電気信号で音声を伝送する場合、これらのノイズが影響して音質が劣化することがありますが、光信号は電磁ノイズの影響を受けないため、クリアで安定した音質を保ちやすいのです。

光デジタル接続のメリット

  • 他の家電製品からの電磁ノイズの影響を受けにくく、音がクリア
  • 音声伝送に特化しているため、接続が比較的シンプル
  • 少し前のテレビやオーディオ機器にも搭載されていることが多い

光デジタル接続のデメリット

一方で、デメリットも存在します。光デジタルケーブルの内部には光ファイバーという繊細な素材が使われているため、物理的な扱いに注意が必要です。ケーブルを強く折り曲げたり、上に重いものを乗せたりすると、内部のファイバーが破損して信号が伝わらなくなる可能性があります。

  • ケーブルが繊細で、折り曲げや衝撃に弱い
  • 伝送できる情報量に限りがあり、最新の高音質フォーマット(Dolby Atmosなど)には非対応
  • テレビとサウンドバーの電源連動や音量調整ができない(HDMI-CEC非対応)

Dolby Atmosについては以下の記事を参考にしてください。

光デジタルとHDMIの音質を比較

光デジタルとHDMIの音質を比較
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「光デジタルとHDMIでは、どちらが音質が良いのか?」という疑問は、多くの方が抱くものです。結論から言うと、「対応している音声フォーマット」によって、HDMI接続の方が高音質になるケースが多いです。

これは、両者のケーブルが伝送できるデータ量(帯域幅)の違いに起因します。光デジタル接続が伝送できるのは、主にCD音質の非圧縮2ch(リニアPCM)や、圧縮された5.1chサラウンド(Dolby Digital、DTS)までです。

一方、HDMI接続はより広い帯域幅を持っており、特にeARC(Enhanced Audio Return Channel)という規格に対応したものであれば、ブルーレイディスクなどに収録されている高品位なロスレス音声(Dolby TrueHD, DTS-HD Master Audio)や、立体音響技術であるDolby Atmosといった、元データから全く音質が劣化していない音声を伝送できます。

HDMI端子がARC/eARCに対応しているソニーブラビアのリストはこちらのリンクから

つまり、再生したいコンテンツがDolby Atmosなどの高音質フォーマットに対応している場合、そのポテンシャルを最大限に引き出せるのはHDMI接続ということになります。

接続方法主な対応音声フォーマット最大チャンネル数メリット
光デジタルリニアPCM (2ch)、Dolby Digital (5.1ch)、DTS (5.1ch)5.1ch(圧縮)ノイズに強い
HDMI (ARC)光デジタルとほぼ同等5.1ch(圧縮)機器連携が可能
HDMI (eARC)Dolby Atmos, Dolby TrueHD, DTS:X, DTS-HD MA など7.1ch以上(非圧縮・ロスレス)最高の音質と機器連携

映画館のような臨場感あふれる立体音響を楽しみたいなら、テレビとサウンドバーがeARCに対応しているかを確認し、HDMIケーブルで接続するのがベストな選択と言えますね。

光デジタルケーブルによる音質の違いとは

光デジタルケーブルによる音質の違いとは
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オーディオの世界では「ケーブルを高級なものに変えたら音が良くなった」という話を聞くことがあります。では、光デジタルケーブルも価格によって音質に違いが出るのでしょうか。

結論としては、デジタル伝送であるため、ケーブルによる音質の変化は理論上ほとんどありません。

光デジタルケーブルが伝送しているのは、「0」と「1」で構成されるデジタルデータです。ケーブルの役割は、このデータを送信側から受信側へ正確に届けること。データがエラーなく届けば、1,000円のケーブルでも10,000円のケーブルでも、再生される音は全く同じになります。

もちろん、極端に安価で品質の低いケーブルの場合、端子の精度が悪くてしっかり接続できなかったり、耐久性が低くてすぐに断線したりする可能性は考えられます。しかし、信頼できるメーカーの標準的な製品を選んでおけば、音質面で高価なケーブルに劣るということはまずありません。

ケーブル選びのポイント

高価なケーブルに投資するよりも、まずはサウンドバー本体やお部屋の環境を整える方が、音質の向上を体感しやすいでしょう。ケーブルは、接続する機器間の距離に合った、取り回しのしやすい長さのものを選ぶのが合理的です。無理に長いケーブルを使うと、余った部分が絡まったり、足を引っかけて断線させてしまったりする原因にもなります。

光デジタルは音質が悪いという噂は本当?

光デジタルは音質が悪いという噂は本当?
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インターネット上などで「光デジタルは音質が悪い」という意見を見かけることがあります。しかし、これは正確には誤解です。

この噂が生まれる背景には、先ほども触れた「伝送できる音声フォーマットの制限」が関係しています。光デジタル接続は、Dolby Atmosのような最新の高音質フォーマットのデータを伝送することができません。そのため、最新規格に対応したHDMI接続と比較された際に、相対的に「音質が劣る」と表現されてしまうのです。

しかし、これはあくまで「最新フォーマットが再生できない」という意味であって、光デジタル接続自体の音質が悪いわけではありません。

例えば、地上デジタル放送(AAC 5.1ch)や、DVD(Dolby Digital 5.1ch)などのコンテンツを再生する場合、光デジタル接続でも十分な情報量を伝送できます。むしろ、ノイズに強いという特性から、環境によっては非常にクリアで安定したサウンドを楽しむことが可能です。

「光デジタル=音質が悪い」と一括りにするのではなく、「再生したいコンテンツのフォーマットに対応しているか」という視点で判断することが重要です。古い規格ではありますが、現在でも多くの場面で活躍できる、信頼性の高い接続方法と言えるでしょう。

結局光デジタル端子とHDMIどっちがいい?

結局光デジタル端子とHDMIどっちがいい?
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ここまで両者の違いを見てきましたが、結局どちらを選べば良いのか、利用シーン別にまとめてみましょう。最適な選択は、あなたが何を最も重視するかによって変わります。

とにかく最高の音質で映画やゲームを楽しみたいなら「HDMI (eARC)」

4Kブルーレイや動画配信サービスの最新映画、最新のゲーム機などで採用されているDolby Atmosなどの立体音響を最大限に楽しみたい場合は、HDMI (eARC)接続一択です。テレビとサウンドバーの両方がeARCに対応している必要がありますが、最高の音響体験が得られます。

手軽さと利便性を両立したいなら「HDMI (ARC)」

eARCには対応していないけれど、ARCに対応している機器をお持ちの場合は、HDMI (ARC)接続が便利です。音質面では光デジタルとほぼ同等ですが、ケーブル1本でテレビと電源を連動させたり、テレビのリモコンで音量を調整したりできる「HDMI-CEC」機能が使えるのが大きなメリットです。

テレビが古く、ノイズを避けたいなら「光デジタル」

お使いのテレビにARC対応のHDMI端子がない場合や、周辺機器が多くて電磁ノイズが気になる環境では、光デジタル接続が有効です。最新フォーマットには対応できませんが、地デジやBS放送、DVDなどをクリアな音で楽しむには十分な性能を持っています。

あなたのテレビやサウンドバーの端子を確認してみてください。「eARC」や「ARC」という記載があれば、HDMI接続がおすすめです。記載がなければ光デジタル接続を基本に考えると分かりやすいですよ


サウンドバー 光デジタルとHDMIの違いと接続方法

この章で解説する項目

  • サウンドバーは光ケーブルのみで接続可能?
  • 光ケーブルとHDMIを両方繋ぐ意味
  • 光デジタルで音が出ないときの対処法
  • 状況別おススメの接続方法を紹介
  • サウンドバー 光デジタルとHDMIの違いを理解しよう

サウンドバーは光ケーブルのみで接続可能?

サウンドバーは光ケーブルのみで接続可能?
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はい、テレビとサウンドバーにそれぞれ光デジタル端子があれば、光デジタルケーブル1本だけで接続し、音を出すことが可能です。

接続は非常にシンプルで、テレビの「光デジタル音声出力」端子と、サウンドバーの「光デジタル音声入力」端子をケーブルでつなぐだけ。これにより、テレビの音声がサウンドバーから出力されるようになります。

HDMI ARCが登場する前は、この方法がデジタル音声を出力する一般的な方法でした。そのため、少し古いテレビや、HDMI端子の数に余裕がない場合でも、手軽にサウンドバーを導入して音質を向上させることができます。

ただし、この接続方法には注意点もあります。

光ケーブルのみで接続する場合の注意点

光デジタル接続は音声信号を一方通行で送るだけなので、HDMI-CECのような機器連携機能は利用できません。具体的には、以下のような操作が連動しなくなります。

  • テレビの電源をON/OFFしても、サウンドバーの電源は連動しない
  • テレビのリモコンで、サウンドバーの音量を調整できない
  • テレビの入力切替にサウンドバーが連動しない

これらの操作は、すべてサウンドバー付属のリモコンで行う必要があります。利便性を重視する方にとっては、この点がデメリットに感じられるかもしれません。

光ケーブルとHDMIを両方繋ぐ意味

光ケーブルとHDMIを両方繋ぐ意味
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「光ケーブルとHDMIケーブルを両方つなぐように」と説明書に書かれている場合がありますが、これには明確な理由があります。

これは主に、テレビが「ARC(オーディオリターンチャンネル)」に非対応だが、「HDMI-CEC(機器コントロール機能)」には対応している場合に用いられる接続方法です。

この接続の目的は、役割を分担させることです。

  • 音声の伝送:テレビ → サウンドバー(光デジタルケーブルが担当)
  • 機器の連携・制御信号の伝送:テレビ ⇔ サウンドバー(HDMIケーブルが担当)

ARCに対応していればHDMIケーブル1本で音声と制御信号の両方をやり取りできますが、ARC非対応の場合は音声がテレビ側に戻ってきません。そこで、音声は光デジタルケーブルに任せ、HDMIケーブルは連携機能のためだけに接続する、というわけです。

これにより、光デジタル接続の弱点であった「機器連携ができない」という問題を解消し、テレビのリモコンで音量調整を行ったり、電源を連動させたりすることが可能になります。

接続の確認ポイント

この接続を行う際は、テレビとサウンドバーのHDMI端子が「ARC」と記載されていない、通常のHDMI端子同士を接続します。テレビがARCに対応している場合は、HDMIケーブル1本での接続が最もシンプルで推奨されます。

光デジタルで音が出ないときの対処法

光デジタルで音が出ないときの対処法
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正しく接続したはずなのに、サウンドバーから音が出ない…。そんな時は、慌てずに以下のポイントを一つずつ確認してみてください。原因は意外と簡単なことかもしれません。

音が出ない時のチェックリスト

  1. ケーブルの接続を確認する
    まず、ケーブルがテレビとサウンドバーの両方に「カチッ」と音がするまで、しっかりと奥まで差し込まれているかを確認しましょう。また、光デジタルケーブルの先端には、ホコリを防ぐための透明な保護キャップが付いています。これを取り外し忘れていないかも確認してください。
  2. サウンドバーの入力を切り替える
    サウンドバーには複数の入力端子(HDMI, Bluetooth, AUXなど)があります。リモコンの入力切替ボタンを押して、入力モードが「光デジタル(OPTICAL / OPT)」に設定されているかを確認してください。
  3. テレビの音声出力設定を確認する
    テレビ側の設定が原因であることも多いです。テレビの設定メニューから「音声設定」や「サウンド」の項目を開き、スピーカーの出力を「テレビスピーカー」から「オーディオシステム」や「光デジタル出力」に変更してください。設定方法はテレビのメーカーや機種によって異なるため、取扱説明書も併せてご確認ください。
  4. 機器を再起動する
    一時的な不具合であれば、機器の再起動で解決することがあります。テレビとサウンドバーの両方の電源を一度切り、電源プラグをコンセントから抜いて1分ほど待ってから、再度電源を入れ直してみてください。

これらの項目を確認しても改善しない場合は、ケーブルの断線や、機器の初期不良の可能性も考えられます。別のケーブルで試してみたり、メーカーのサポートに問い合わせてみましょう。

状況別おススメの接続方法を紹介

ご自身の持っている機器の性能を最大限に活かすために、状況別に最もおすすめの接続方法を表にまとめました。テレビやサウンドバーの取扱説明書で、HDMI端子の仕様(eARC/ARC対応の有無)を確認し、最適な接続方法を選びましょう。

あなたの状況最適な接続方法ポイント
テレビもサウンドバーも「eARC」に対応しているHDMIケーブル 1本Dolby Atmosなどの最高音質を楽しめる最もおすすめの接続です。ケーブルは「ハイスピード」以上の規格を選びましょう。
テレビもサウンドバーも「ARC」に対応している(eARCには非対応)HDMIケーブル 1本音質は光デジタルと同等ですが、電源連動や音量調整ができて非常に便利です。
テレビはARC非対応だが、サウンドバーはARC対応光デジタルケーブル(+利便性重視ならHDMIケーブルも)音声は光デジタルで接続します。テレビのリモコンで操作したい場合は、追加でHDMIケーブルも接続しましょう。
PS5やBDプレーヤーの音を高音質で楽しみたい(テレビはeARC非対応)プレーヤー → サウンドバー → テレビ の順でHDMI接続サウンドバーにHDMI入力端子があれば、この接続が有効です。プレーヤーからの高音質な音声を直接サウンドバーで受け取れます。

まずはご自身の機器の「HDMI端子」に「eARC」または「ARC」という文字があるかを確認するのが第一歩ですね!

サウンドバー 光デジタルとHDMIの違いを理解しよう

  • HDMIは映像と音声を1本のケーブルで伝送できる
  • 光デジタルは音声の伝送に特化した規格
  • 音質の違いは対応している音声フォーマットによって決まる
  • HDMIのeARC規格はDolby Atmosなどの最新高音質フォーマットに対応
  • 光デジタルが伝送できるのは主に圧縮された5.1chサラウンドまで
  • 光デジタル接続は電磁ノイズの影響を受けにくいという大きなメリットがある
  • HDMI接続はテレビとの電源連動や音量調整といった連携機能が便利
  • 光ケーブルのみの接続では便利な連携機能は利用できない
  • 音が出ないトラブルはケーブルの接続やテレビ側の音声出力設定を見直す
  • デジタル伝送なのでケーブルの価格による音質の変化は基本的にない
  • 「光デジタルは音質が悪い」というのは最新フォーマット非対応による誤解
  • 最高の音質と利便性を求めるならHDMIのeARC接続が最もおすすめ
  • 古いテレビでも光デジタル接続で手軽に音質を向上させることが可能
  • 光とHDMIの両方を接続するのは音声と機器連携の役割を分けるため
  • 自分の機器の仕様と目的に合わせて最適な接続方法を選ぶことが最も大切
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この記事を書いた人

日本を代表する超大手電機メーカーグループ会社で、ホテル内の電気で動く全ての製品の選定を行っていました。その経験をもとに、室内で電気が通るモノ全般について、皆さんのお悩みを解決することが出来るよう、記事にしています。
自信作はアマゾンecho経由でエアコン、TV、空気清浄機、照明とカーテンを音声認識でコントロールできる部屋をプロデュースしたことです。

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